今回レビューを行うのは、2019年に新発売されたカミュ VSOPの進化系コニャック「カミュ VSOP Intensely Aromatic」です!
何が進化したのか・・・?
これまでの通常ラインナップでもあるカミュVSOPエレガンスと比較しながらレビューしてみましょう!
Intensely Aromaticシリーズとは何か?
このカミュ Intensely Aromatic シリーズは2019年に出た新しいカミュのラインナップ。
VS、VSOP、そしてXOからそれぞれ同シリーズが加わりました。
国内のとあるネットショップなどでは新ラベルとして同一の扱いを受けていることがありますが、これまでのVS、VSOP、XOとは中身的にも商品登録的にも全く別モノのコニャックなので注意しましょう。
このIntensely Aromaticシリーズは蒸留の時点から普段のカミュとは少し変わった原液の取り方を行っています。
皆さん知っての通り、コニャックはシャラント式単式蒸留器で2段階蒸留が行われます。
その2段階蒸留は主に「Head」「Heart」「Tail」と3つのステップに分かれてカットされ、通常は最もコニャックとして適切な「Heart」の部分がコニャックの原液(オードヴィー)として採用され、熟成に進みます。
しかしながら、このIntensely Aromaticは「Heart」の前の、通常は切り捨てられたり、再度蒸留留にまわされる部分である「Head」の部位の最もアロマが高まった液体を意図的に抽出し、そのHeadを熟成に回した特異なコニャックです。
最も違うのはエステルの量
このコニャックとして使用する液体のHeadとHeartの最も大きな違いは何か?
それはエステル(Esters)の違いです。
コニャックの風味に大きく左右するエステル成分は主にオレンジなどの柑橘系はじめ、リンゴや洋ナシ、バナナなどフルーツ系の香りをより強調する役割を果たすことが多く、このエステル成分によってコニャックのアロマは大きく変化します。
通常のカミュの蒸留方式は1リットルあたり約70mgのエステル成分が含まれますが、このIntensely Aromaticシリーズにおいてはその約3倍にあたる200mg/1Lのエステル成分が含まれており、この差が今回の特別なカミュコニャックの主たる要素となります。
その他にもコニャックのアロマに変化をもたらす「ベータ ダマセノン(BÉTA-DAMASCENONE)」「アルファ テルピネオール(ALPHA-TERPINEOL)」「シトロネロール(CITRONELLOL)」「ゲラニオール(GERANIOL)」「リナロール(リナロール)」といった成分も通常のカミュVS、VSOP、XOよりも多く含まれ、上記のエステルに加えてよりプルーン、ユリ、スミレ、バラを主としたアロマを強調したコニャックに仕上がっています。
カミュVSOPエレガンスとカミュVSOP Intensely Aromaticの比較レビュー
それでは早速比較レビュー。
国内でも通常に購入できるカミュVSOPエレガンスと、今回のカミュVSOP Intensely Aromaticをデザイン・色・香り・味わいの観点から比較してみましょう。
ボトルデザインの比較
まずは見た目から分かるボトルデザイン。
Intensely Aromaticの方はブルーのラベルが爽やかですね。
これまでは茶色やダーク系、またはカミュボルドリのような白といったカラーの印象が大きかったカミュのボトルとしては何だかこのラベルはとても印象的です。
最初は違和感ありましたが、これはこれでインパクトあるし、Intensely!な感じがするのでアリかも(どういう感じだ・・・
色合いの比較
色合いにおいてはさほど差を感じることはできません。ほとんど同じです。
すこーしだけ、Intensely Aromaticの方が気持ち濃いかもしれません。
熟成期間に関しててはノーマルなカミュVSOPと同等なので、そこまで違いはないかと思います。
もしくはあえて同じ色合いに調整されている可能性もありますが、これに関してはほぼ同じといってよいでしょう。
香り立ちの比較
ここからはカミュVSOPエレガンスとカミュVSOP Intensely Aromaticで大きな違いが出てきます。
意外とオレンジ系といった柑橘系の香りはノーマルのVSOPの方が香りが立つかもしれません。
カミュVSOP Intensely Aromaticの方はよりフローラル(お花系)のアタックが強調されている印象があります。また、同時に力強さを感じるのもカミュVSOP Intensely Aromaticの方。
人によってはカミュVSOP Intensely Aromaticの方がアルコール感が強いと感じるかもしれません。
カミュVSOPエレガンスの方が優雅でフルーティー感が強く、カミュVSOP Intensely Aromaticの方が力強さとインパクト重視な感じです。
でもやっぱりこの2つは香りの時点で別物です。
味わいの比較
これがビックリするほど違うのよ。
カミュのコニャックは全体的に紅茶・香草系の味わいや余韻を強く感じるのですが、その香草系の風味をより強調したのがカミュVSOP Intensely Aromatic。
決してアルコール感が強いわけではないですが、アルコール度数同じだよね?ってラベルを2度見してしまうほどカミュVSOP Intensely Aromaticの方が力強い。かつ白コショウといったスパイス感がより目立つ形になっています。
コニャックの味わいとして優しいのはカミュVSOPエレガンス、コニャックとしての力強さをより強調したのはカミュVSOP Intensely Aromatic。そしてその力強さを構成するのは、もとよりあるカミュVSOPの紅茶感と香草感に加えて、シナモンや白コショウといったスパイス要素と、ほのかに感じるユリや西洋スミレの要素。
余韻自体は圧倒的にカミュVSOP Intensely Aromaticの方が長いですが、余韻の性質そのものがカミュVSOPエレガンスと異なるので、これまでのカミュVSOPエレガンスの延長線のコニャックとして見るのではなく、やはりあくまでも全く別物のカミュVSOPコニャックとして捉えた方がよいです。
Headの部分の厳選されたアロマを凝縮するとこんな風味になるのか・・・と改めて楽しませてくれるコニャックです。
次回はIntenselyシリーズその2、カミュXOエレガンスと、カミュXO K7 Intensely Aromaticの比較レビューに迫ります!
お楽しみに。
Cognac Expertでは日本では購入できないコニャックが盛りだくさん!
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