コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

今回レビューを行うのは、Cognac Expertより3つのシングルカスクがリリースされたコニャック「Vallein Tercinier(ヴァレン テルシニール)」です。

それぞれ特徴の異なる1989年、1990年ヴィンテージコニャックと、Lot96の面白い中身を見ていきましょう!

Vallein Tercinier(ヴァレン テルシニール)とは?

1850年創業のコニャック生産者Vallein Tercinier(ヴァレン テルシニール)。コニャックファンの間では近年密かに人気の高まりつつ生産者です。

コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

グランドシャンパーニュ、プティットシャンパーニュ、ファンボア、ボンボアを中心に通常のVSOPやXOといったラインナップから、良質なヴィンテージコニャックまで幅広くコニャックを生産しています。Vallein Tercinier(ヴァレン テルシニール)は特定の畑を持ちませんが、提携生産者から良質なワインを買い取り、それを自社で蒸留・熟成を行っています。

ヴィンテージコニャックに関してはカスクストレンクス・ノンチルフィルタードを基本としており、それぞれの生産域の味わいをダイレクトに楽しむことができます。

こういったクラフト系の生産者は大きな生産者に埋もれがちですが、Vallein Tercinier(ヴァレン テルシニール)はそのコニャックの質の高さからも近年注目を浴びている生産者の一つです。

Vallein Tercinier Brut de Fût 1989 Single Cask

コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

まずは1本目「ヴァレン テルシニール1989 シングルカスク」です。基本的なスペックは下記の通り。

生産域:グランドシャンパーニュ100%
容量:700ml
アルコール度数:47.7%(カスクストレンクス)
蒸溜年:1989年
ボトリング:2021年
熟成年数:32年
生産本数:328本限定

蒸溜年からボトリング年まで詳細なスペックが分かるのは大変ありがたいですね。ではさっそく中身を見て参りましょう。

香り

コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

まず最初に感じるのは蜂蜜レモン。桃。キンカン。そしてマンゴーといったグランドシャンパーニュに代表される柑橘系と南国フルーツ感。

熟成年数32年というグランドシャンパーニュがちょうど花開くタイミングにふさわしい正当な華やかさです。

その後少し経つとグラスの香り立ちが変化し、革やミント、少しばかりのサフランといったようにややスパイシーな香り立ちが顔を出すようになります。

このあたり、グランドシャンパーニュコニャックとしてはかなり個性的な香り立ちでとても面白いです。

味わい

コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

パッションフルーツ、ビターオレンジといった要素が口の中に広がります。その後少しレモンでしょうか。

ここまでは熟成年数30年前後のグランドシャンパーニュコニャックとしてはよく感じる要素です。

カスクストレンクスも相まって、非常に力強いパンチ力を持ったコニャックです。

その後、胡椒やスパイス感のある風味を楽しむことができます。あとプルーンかな。

舌の上に残るのはオレンジ感ですね。

余韻としては木の香りも程よく感じることができます。

印象として、想像していたよりもウッディな感じです。グランドシャンパーニュコニャックの程よいオレンジ感と、ウッディな力強さをバランスよく組み合わせたとても興味深い味わいです。

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Vallein Tercinier Brut de Fût 1990 Single Cask

コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

2本目は「ヴァレン テルシニール1990 シングルカスク」です。こちらは珍しいボンボア産100%のコニャック。基本的なスペックは下記の通り。

生産域:ボンボア100%
容量:700ml
アルコール度数:42.9%(カスクストレンクス)
蒸溜年:1990年
ボトリング:2021年
熟成年数:31年
生産本数:571本限定

ボンボアのシングルカスクは大変珍しいですね。扱いが難しいボンボア産からこそ、このコニャックに対する自信が伺えます。果たしてその実力は・・・

香り

コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

圧倒的に「秋」の香り。

具体的には湿った低木、アーモンドといった「木」の心地よさ。

そしてシナモン、リコリス、さらに山椒といったスパイス要素満点。

ややアプリコットを感じるものの、先程の1989年グランドシャンパーニュコニャックとは全く異なり、フルーツ要素は少なく、「木」「スパイス」に全振りした印象。

やはりボンボアの特徴はここに出ます。めちゃめちゃボンボア産コニャックらしい。

味わい

キャラメル、蜂蜜、ヴァニラの印象が強く口の中に広がります。

そのほかには、干したアンズ、カカオなどでしょうか。

意外と「甘味」を感じるコニャックでもあります。でも樽はちゃんと効いている。

ボンボア100%のコニャックの場合、その産地の特徴としては基本的にはスパイシーな方向に仕上がるので、それに合わせて樽感をしっかり出してそのスパイシーさを強調するコニャックが多く単調になりがちなのですが、この1990はその樽感とキャラメル・ヴァニラ系の甘味が絶妙なバランスで折り重なっています。

この点は他のボンボアコニャックにはあまり見ない特徴です。

ボンボアのスパイシーさも活かしつつ、ほのかに舌を包んでくれる甘みを残す。とても高レベルな複雑性を持ち合わせたコニャックです。

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Vallein Tercinier Brut de Fût Lot96 Single Cask

コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

3本目は「ヴァレン テルシニールLot96 シングルカスク」です。こちらはファンボア100%コニャック。

なぜこれだけヴィンテージ年ではなくLot表記なのかはコニャックのヴィンテージ表記基準によります。コニャックで正確なヴィンテージを表記するためには樽に蝋封を行いBNIC(フランスコニャック協会)監視のものとに樽を厳密に管理する必要があるのですが、おそらくこの樽はそこまでの管理を行っておらず厳密なヴィンテージ表記ができません。

そういったコニャックの抜け道的なヴィンテージ表記として「Lot+数字」といった表記が行われます。Lot表記ではあるものの、基本的には1996年ヴィンテージと考えて頂いて差支えないかと思います。

基本的なスペックは下記の通り。

生産域:ファンボア100%
容量:700ml
アルコール度数:48.7%(カスクストレンクス)
蒸溜年:(おそらく)1996年
ボトリング:2021年
熟成年数:(おそらく)25年
生産本数:435本限定

香り

コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

なぜか最初に感じたのは「紫蘇」(笑)

その後マンゴーとヴァニラといったあまーい香り。そしてスミレ、ジャスミンといったお花系の香り立ちがうまく重なり大変心地が良いです。

傾向としてはフルーティーというよりもフローラルですね。

味わい

コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

マンゴー、そしてレモン。少し白コショウのスパイス感。

余韻はかなりパイナップルとマンゴー要素が強いです。

フローラルさとフルーティー感をちょうどよいバランスで表現しているコニャックだと感じます。

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ヴァレン テルシニール シングルカスクシリーズまとめ

これら3つとも面白いくらいはっきりと特徴が分かれます。

1989:ビターオレンジを中心としたフルーツ感と程よい樽感
1900:ボンボア特有のスパイシー感とほのかな甘み
Lot96:フローラルさを中心とし、フルーティーさも感じるバランス派

といったところでしょうか。

コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー
※左から1989、1990、Lot96

余韻の長さと柑橘感は1989年が一番で、ここはさすがグランドシャンパーニュといったところ。

個人的に最も面白いのは1990年のボンボア100%ですね。ただこれは正直ある程度コニャックを飲みなれた人向けで、しょっとマニアックだと思います(笑)

コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

順序としてはLot96→1989年→1990年といった流れで飲み比べてみると、徐々に濃い方向に向かうと思うので面白いのではないでしょうか。

どれも個性的ですが、高品位なコニャックであることは間違いないのでぜひお試しあれ。
※数量限定品なので無くなり次第終了です。

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コニャック ヴァレン テルシニール 1989/1990/Lot96のレビュー

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日本で最大級のブランデーサイト「Brandy Daddy」を運営。当コニャックエキスパートブログでは主にCognac Expertで入手可能なコニャックをメインに紹介レビューを行います。WEBを介して唯一無二の日本とコニャックの架け橋になれるようコニャックの魅力をお伝えします。※紹介がメインなので基本的に全てポジティブな視点でのレビュー記事となります。

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