さて、前回の記事でCognac VAUDONの特徴とラインナップということで軽くCognac VAUDONを紹介しましたが、今回はいよいよ実際に味わってみたレビューをさっくりと書いて参ります。
まずは前回のおさらいで今回のボトル概要と基本スペックを。
Cognac VAUDON XO
熟成年数:およそ15年
葡萄の生産域:グランドシャンパーニュ80%+ファンボア20%
アルコール度数:40%
容量:700ml
購入価格:67ユーロ(2020年3月時点)
XOのレビュー
香り立ちはオレンジ、シナモンといった香り最初に感じられます。その後に少しの蜂蜜感。
ややアルコール感を感じてしまうものの、ほんとに少し。その後は心地よくスパイシーなアーモンドやコショウといった香りも感じられます。
味わいは思ったよりも甘め。少しスミレのようなフローラルさも感じられますが、全体的にマンゴーやハチミツといった感覚が広がります。
グランドシャンパーニュとファンボアのミックスで、グランドシャンパーニュ比率が多いようですが、そこまでグランドシャンパーニュのパンチの効いた特徴は感じられません。熟成年数がおよそ15年と若いせいかもしれない。
並びとしてはオタールXOあたりと共通した香味を感じることができます。
Francois Voyerと姉妹ブランドにあたるこのCognac VAUDONですが、同じXOクラスということで単純にFrancois Voyer XOと比較してどうなのかなとも思ったのですが、Voyerに感じたような強い樽感はそこにはありませんでした。
もちろん商品コンセプトも異なるので違って当たり前なのですが、Voyerの系譜はこのXOにはなく、やはりあえて別の方向性にもっていっているコニャックだと感じます。
ただ、もちろんこの熟成年数でこの価格帯(2020年4月時点で67ユーロ・・・日本円で7800円くらい)であれば全然アリ。
Cognac VAUDON Extra
熟成年数:最低30年
葡萄の生産域:グランドシャンパーニュ+ファンボア(比率不明)
アルコール度数:44%
容量:700ml
購入価格:159ユーロ(2020年3月時点)
Extraのレビュー
これは良い。
グラスに注いで少し香りを嗅いだ瞬間に「あ、これは当たりだわ」感がすごい。
ピーチ、オレンジ、パッションフルーツといった南国系果実の香りが炸裂。その後にちょうど良い塩梅で後を追いかけてくるシナモンと焼いたピーナッツ、そして何だろう、少し、そうホントに少しだけ顔を見せるコーヒー豆のような心地よい渋い香り。この渋みは樽香由来のものかもしれません。
味わってみるとやはりもう一度感じる「あ、これは当たりだわ」感。
先ほど感じた南国果実の風味がそのまま舌の上に乗り、その後一瞬ダークチョコレートを感じた後、ハチミツ着けのリンゴのような味わいが残ります。アルコール度数44%と少し高めのコニャックですが、そのアルコールもピリピリ感じることは一切なく、心地よい刺激となって感覚を研ぎ澄ませてくれます。
余韻がまた素晴らしい。恐らくVoyerと同じく、新樽に寝かせていた期間が一般的なコニャックより長く、人によっては樽由来のウッディさが強すぎると思う人もいるかもしれませんが、いつまでもオレンジピールを想像させるランシオと、程よいオーク感とシナモンが交互に混ざり合い、何とも言えない複雑な鼻抜けを実現してくれます。
このCognac VAUDON Extraの香味と余韻、鼻抜けは私が大好きなFrancois Voyer Extraに通ずるものがあります。
やはり当初の思惑通り、このCognac VAUDON Extraは「当たり」コニャックでした。
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